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名古屋地方裁判所 昭和24年(行)27号・昭24年(行)30号 判決

原告 浅井美雄 外八名

被告 名古屋郵政局長

被告 東海電気通信局長

被告 名古屋地方貯金局長

一、主  文

原告等の請求はいずれもこれを棄却する。

訴訟費用中、弁論併合前の第三〇号事件につき生じた分は原告小島泰夫の負担とし、同第二七号事件につき生じた分は小島を除くその他の原告等の負担とし、弁論併合後の分は全原告の負担とする。

二、事  実

原告等訴訟代理人は「昭和二十四年八月十二日被告名古屋郵政局長小畠富穂が原告蟹江亮、同中島佐治郎、同加納善生に対し、被告東海電気通信局長吉沢武雄が原告浅井美雄、同井上耕平、同赤川広治郎に対し、被告名古屋地方貯金局長小川正弘が原告吉田雅夫、同三谷八郎に対してなした各免職処分並びに被告吉沢武雄が同年九月二十一日原告小島泰夫に対してなした免職処分はいずれもこれを取り消す、訴訟費用は被告等の負担とする」との判決を求め、被告等訴訟代理人は原告等の請求を棄却するとの判決を求めた。

(原告等の主張)

原告等訴訟代理人は次のように述べた。

一、原告蟹江亮は熱田郵便局、同中島佐治郎は中村郵便局、同加納善生は東郵便局、同吉田雅夫、三谷八郎の両名は名古屋地方貯金局に勤務する郵政省職員であり、原告浅井美雄、井上耕平、小島泰夫の三名は名古屋電気通信管理所、同赤川広治郎は名古屋電報局に勤務する電気通信省職員であるが、以上の原告等はいずれも昭和二十四年八月十二日(但し原告小島のみは同年九月二十一日)行政機関職員定員法(昭和二十四年法律第百二十六号、以下定員法と略称する)による免職と告げられたのみで他になんら具体的理由をも示されず原告蟹江、中島、加納は被告名古屋郵政局長により、原告吉田、三谷は被告名古屋地方貯金局長により、原告浅井、井上、赤川、小島は被告東海電気通信局長によりそれぞれ免職処分を受けた。

二、しかしながら原告等に対する右免職処分はいずれも次のごとき理由により違法であつて取り消さるべきものである。

(1)  定員法の違憲性

上述のとおり被告等の言によれば本件免職処分は定員法附則第三項による免職処分なのであるが、元来この定員法自体が憲法に違反する法律でありこれにもとずく免職処分は当然無効であつて取消を免れない。定員法が日本国憲法に違反する理由は次のとおりである。現政府のフアツシヨ的弾圧政治のためにあらゆる勤労者が生活の破たんと失業にあえいでいる際なんらの失業対策を立てることなく、又なんらの生活保障制度も考慮することなく多数の職員の整理を強行した定員法は、被免職者及びその家族から日本国憲法第二十五条の保障するいわゆる最低生活権を奪うものであり、既にこの点において定員法は憲法違反たるを免れないのである。しかも定員法附則第五項は同附則第三項にもとずく人員整理の場合に関し国家公務員法第八十九条ないし第九十二条の適用を排除して不利益処分に対する審査請求権を国家公務員から奪つており、更に又同附則第八、九項は公共企業体職員が公共企業体労働関係法第八条、第十九条により享有する団体交渉権及び苦情処理共同調整会議の調整を受ける権利を今次の人員整理に限り停止している。しかしながらこれらの権利は国家公務員法又は公共企業体労働関係法により初めて与えられたものではなく、却つてこれらの諸規定は専制と隷従とを排除する日本国憲法前文の精神にかんがみ国民の幸福追求権を確認する同法第十三条、国民平等を宣言する同法第十四条、国民の最低生活権を保障する同法第二十五条、労働者の勤労権団体権を規定する同法第二十七条、第二十八条の趣旨を国家公務員ないし公共企業体職員の勤労関係において具体化したものに過ぎぬと解せられるのである。従つて勤労者からこれらの権利を奪うところの定員法は前記憲法の各法条並びに同前文にてい触し無効の法律とみなすべきである。被告等は右定員法の制定は連合国軍総司令部の慫ようにかかるところのいわゆる経済九原則実施のための措置であるから占領下の我国として止むを得ぬところであり、又実質的にみても日本経済再建という公共の福祉のため必要な処置であつたと主張するが、連合国軍の日本占領方式はいわゆる間接管理を原則とするものであるから、たとえ総司令部の示唆にもとずくところの政策であつても日本国政府がこれを実施するに当つては日本国憲法に従うべきは当然であり、又これを実質的にみても今回の行政整理後平和産業は萎びし失業者は巷にあふれて経済の復興は依然として成らず、かえつて電気通信事業のごときは巨額の見返資金の投下のため殖民地化しつつある現状で、今回の定員法の制定が日本経済再建という公共の福祉のため止むを得ない措置であつたとはとうてい信じられない。又被免職者一人当り平均二、三万円程度の退職手当を支給したからとて生活の保障にならぬことはいうまでもない。なお被告等は被整理者から審査請求権を奪つたのは極めて短期間に人員整理を完了し日本経済を再建するという公共の福祉の要求上己むを得ぬ処置だと主張するが、今回の人員整理に対し不服を唱えて裁判所に出訴した者が極めて少数であつたことから推測するときは、仮に人事院に対する審査請求を許したとしてもその権利を行使する者はそれ程多くなく、従つて審査請求が整理の障がいになつたとは考えられぬから、審査請求権のはく奪をもつて整理の早期完了のため己むを得ぬ措置だとする被告等の見解は承服できない。思うに今回の定員法制定の目的の一半は勤労者の権利の保障を奪いそのすきに乗じて組合役員又は組合員中常に良心的で事業の殖民地化労働者の奴隷化に反対して来た進歩的分子を職場から追放することにあつたと考えられるが、かかる意図にもとずき制定せられた定員法が日本国憲法に違反することは多言を要しないであろう。

(2)  不当免職の主張

前記のように定員法自体が違法であり無効のものであるが、仮に然らずとするも同法にもとずく本件免職処分は次のような理由により不当であつて取消を免れない。すなわち小島を除く他の原告等はいずれも郵政、電気通信両省の職員で組織する全逓信労働組合(以下全逓と略称する)愛知地区本部の役員であり、原告小島は同地区名古屋電気通信管理所支部の支部長であるが、同人等は常に組合員大衆の総意に従いその利益を守るため政府の反労働者的政策に対し法の許す限りの抵抗を続けるとともに逓信事業の復興のために懸命の努力を傾けて来たのである。しかるに専制的支配の復活と組合の弱体化をねらう政府上層官僚は原告等の行動を憎み狙打ち的に今回の免職処分を行つたのであり、特に原告小島に関しては次のような事実にてらし不当労働行為の存在が顕著である。すなわち原告小島は昭和二十四年八月二日名古屋電気通信管理所厚生課労務係長斎田幸雄を介して同管理所長大高権太郎から来るべき行政整理には同原告を免職しない旨の非公式の通告を受け、事実同年八月十二日の第一次人員整理の際には免職をまぬかれた。しかるに原告小島はその後同管理所及び東海電気通信局内の上級官僚の国費横領事件を摘発して官庁の民主化と不正一掃に努力し、又同年九月十二日から十四日まで長野県上諏訪で開かれた全逓の中央委員会に出席してその席上被免職者を組合から除外することは反労働者的である旨発言をした。ところが東海電気通信局では原告のかかる行動を不当として同原告の免職を画策し前記大高所長は二回にわたり同所厚生課長友広丈夫を介して原告に組合支部長をやめ日本共産党を脱党せよと勧告し、且つ九月二十日同原告と会見の上最後の勧告であると前置きして翌二十一日午前九時までの期限付で原告の支部長辞任と脱党を勧告した。しかるに同原告は右期限までに回答をなさなかつたためついに翌二十一日午後三時免職通告を受けた。

原告等に対する右のような免職処分は国家公務員法第九十八条第三項にいわゆる不当労働行為禁止の原則に反する違法の処分であることは勿論であり、しかも原告等には上述のような正当な組合活動をした外後記整理方針に該当するような事実は一もなく、他の免職をまぬかれた者と区別される理由は全くないのであるから、本件免職処分は法の前の平等を規定する憲法第十四条並びにその公務員関係における具体化である国家公務員法第二十七条に違反する不法処分たること明かである。元来定員法にもとずく今回の人員整理に関しては郵政兼電通大臣の談話として「公務員としての資質、次では技能、知識、肉体的諸条件、通信業務に対する協力の程度を基準とし特に協力の程度を重視する。その認定方法は地方では各郵政局長、各地方監察局長及び電気通信局長の認定に一任され、優劣をつけ難い場合には勤続年数短く勤務成績良好でない者を整理の対象とする」との方針が発表されており、右整理方針は免職基準として法的拘束力があり任命権者と雖もこの枠内でのみ裁量権を有するに止まるのであるが、原告等は前述のように右免職基準の何れにも該当せぬのであるからこの点からいつても本件免職処分は違法であり取消を免れない。

三、被告等は今回の免職処分は定員法による過員の整理に過ぎず他に意図するところはないと主張するが、無給組合専従者である原告等(但し原告小島を除く)を免職しても政府の人件費節減に寄与するところはないから、本件を人員整理のための免職となすは無意味である。又被告等は国家公務員法第七十八条第四号及び人事院規則11―0.4を援用して今回のような過員の整理に際しては被免職者の選択は行政庁の自由裁量であると主張するが、形式的にみても定員法は国家公務員法中第八十九条ないし第九十二条の適用を否定するに止まり他の条項の適用は否定していないのみならず被告の援用する人事院規則11―0.4によれば「同条(国家公務員法第七十八条)第四号の規定により職員を降任又は免職することのできる場合において当該職員のうち何れを降任し、又は免職するかは任命権者が定める。但し法(国家公務員法)第二十七条に定める平等取扱の原則及び法(国家公務員法)第九十八条第三項の規定に違反してはならない」と明示されており、任命権者の自由裁量権といえどもなお国家公務員法第二十七条及び第九十八条の制限を受けることは文理上一点の疑もない。更にこれを実質的に考えても国家公務員法第二十七条、第九十八条は憲法第十四条、第二十七条の具体化であり、且つ昭和二十三年七月三十一日のマ元師書簡により公務員の罷業権及び団体交渉権が奪われた際にもなお確保すべきことを命ぜられた公務員の身分保障のための最低限度の要求であつて、前記諸規定の拘束を免れようとする被告等の主張は如何に考えても失当である。また被告等は本件に応訴した当初においては専ら本件免職処分は自由裁量処分である旨答弁していたに拘らず、原告等の反ばくにあうや俄にその態度を改め具体的事実を調査して一定の整理基準に該当するものとして免職したと主張を変えたが、かような主張の動揺自体が被告等の弁解の不真実なことを物語るものである。

原告等はいずれもその事業に対する不協力を理由に免職されたものであるが、被告等の挙示するところのいわゆる不協力事例なるものは凡て原告等が労働組合の機関としてその役員たる立場において行つた組合活動であるに拘らず、被告等はこれを原告等個人の勤務関係における非協力事例とみなし非難している。しかし右のごときは全く概念の混同であつて失当も甚しいが、今被告等の主張する非協力事例につき一々これを反ばくすれば次のとおりである。非協力事例(一)の(1)、三谷大会で被告等の主張するような確認決議のなされたことはこれを認めるが、原告等は地区本部執行委員として規約上右決議には参加し得ず、又事実参加しなかつたのである。なお右決議にもとずき指令を発したことは認めるが、これは原告等が組合執行機関として当然の責務を果したまでのことである。同(2)、書類の提出遅延は認めるが、これは中央本部の指令によるもので官側当局も諒承していたし三十一日には円満受理されたのだから非協力にはならぬと考える。同(3)、これは中央本部からの共同斗争指令にもとずき地区本部として「スト破りするな」との意味の指示を出したまでゞ積極的に怠業行為を扇動したものではない。同(二)の(1)の(イ)、右定時退庁は当時争議権を有していた同支部が正当な機関である部会長会議の決定にもとずき行つた争議行為であり被告の主張は事実に反する。同(ロ)、右は全逓名古屋管理所支部長小島泰夫に対し同管理所支部に非公式組合専従者を認めて貰うべく交渉をなすことを指示し、その交渉技術として官側にも遵法を要求するよう指示を与えたに止まる。同(ハ)、組合側が担当官の諒解のもとに使用したことは認めるが浅井自身が使用したことはない。同(2)の(イ)、中斗オルグは独自の立場で話をしたに過ぎず、原告等がやらせたものではなく、又原告等にこれを制止する権利もない。同(ロ)、同原告は二十四年十一月末まで上司の許可を受けて組合専従者の扱いを受けていたのであるから無断欠勤とはならない。同(3)、非合法斗争の決議をしただけでは違法行為とはならない。同(4)の(イ)、同原告は二十五年一月十五日まで上司から有給専従の取扱を受けていたから無断欠勤にはならない。同(ロ)、組合機関の指示により組合役員の義務として同大会の席上秋田大会の報告をなしたに止まる。同(5)の(イ)、組合役員が一般組合員から浮上つた行動をとると狙打ち的に圧迫を受けるから組合員の団結の上に立つて行動することを勧めたのであり、ビラ貼り云々は物のたとえに過ぎずこれをもつて非合法活動となすは曲解である。同(ロ)、原告赤川に関する(2)の(イ)に対する反ばくと同趣旨であるから援用する。同(6)の(イ)、全く真実に反する。原告加納は局内で人望があつた。同(ロ)、加納が局員の正当な不平不満を取上げたのは事実だがその他の点はことごとく事実に反する。当時詐欺的な方法で保険の募集が行われ募集者と上役との間によくトラブルが起きたし、天野課長の不正行為は局内における公知の事実であつた。

(被告等の主張)

被告等の主張は次のとおりである。

一、本件請求の要旨は、さきに被告等が原告等に対し定員法にもとずきなした免職処分につきその違法を理由に取消を求めるにあるが、本件免職処分のごとく定員法附則第三項による免職処分の法的根拠は国家公務員法第七十八条第四号にあるところ、昭和二十四年三月三十一日施行の人事院規則11―0.4には「法(国家国務員法)第七十八条第四号の規定により職員を降任又は免職することのできる場合において当該職員のうち何れを降任又は免職するかは任命権者が定める」と規定しており、同号による免職処分が行政庁のいわゆる自由裁量処分であることを明かにしている。それ故この種免職処分の当否については訴訟をもつて争うことができず、従つて右処分の違法を理由にその取消を求める原告等の本訴請求は失当であり棄却を免れない。また原告等は本件免職処分が日本国憲法に違反するところの定員法にもとずくが故に違法であること、又は右処分がいわゆる不当労働行為ないし差別待遇として国家公務員法第九十八条第三項、第二十七条、日本国憲法第十四条に違反することを理由にその取消を求めているが、然しもし本件免職処分に原告等主張のごときかしがあつたとすればそのかしは誠に重大であつて単に取消原因たるに止まらず進んで無効原因を構成するものと解せられるから、原告等がその訴訟上の救済を求めるためには必ずや国を相手どつて無効確認訴訟を提起すべきである。しかるに原告等はその相手を誤り被告等処分庁に対して取消訴訟を提起したのであるから、右は当事者適格なき者を被告とする訴訟として棄却するの外はない。なお以上の主張が理由がないとしても、少くとも原告吉田及び三谷に対する関係においては、同人等は直接郵政大臣により免職されたものであり、被告名古屋地方貯金局長は単にその辞令の伝達者に過ぎぬから、同被告を相手として免職処分の取消を求める原告両名の請求は失当として棄却されねばならない。

二、本件請求原因事実中、原告等がその主張のような職場にその主張のような職員として勤務していたこと、同人等がその主張の日時にその主張のような被告により免職せられたこと(但し原告吉田及び三谷を免職したのは被告名古屋地方貯金局長でないことは前述のとおりである)、小島を除く原告等八名が全逓愛知地区委員会の役員であつたこと、原告小島が全逓名古屋電気通信管理所支部長であつたこと、同人が同管理所並びに東海電気通信局内で摘発的行為をしたこと及び原告主張のような内容の郵政兼電通大臣の声明のあつたことはこれを認めるが、その他の事実はすべてこれを争う。原告等に対する本件免職処分は定員法附則第三項の定めるところに従い過員の整理をなしたに止まり、他になんらの意図なくましてや良心的組合員の首切など被告等の全く所期しないところである。被告等は前記のように定員法による免職処分は自由裁量処分であると解するのであるが、それでもなお国家公務員法の平等取扱の原則や不当労働行為禁止の原則に反せぬよう昭和二十四年八月十一日の郵政兼電通大臣談話で発表されたごとき整理方針を立てた。右談話の内容は大体原告主張のとおりであるが、なおこれを正確にいえば「(今回の整理に関しては)公務員としての資質、次いで事業の再建上必要とされる職員の技能、知識、肉体的諸条件、特に通信事業の業務に対する協力の程度というような公共事業職員としての必須条件を判定して優位の人を残し比較的下位の人を整理するという点に最大の根拠を求めた。特に重要なのは事業に対する協力の程度であつて、たとえ能力知識の程度が高くても通信事業の正当な運営を阻害する行為に出たり自ら行わなくともこれを共謀したり、そゝのかしたり、あおつたりして同様の結果を招くと認められるような者はこの要件を欠く」というのであつて、なお協力の点については内部的に更に次のような基準を設定してこれを非協力とみた。1.法令を無視しこれがために行政事務の能率に著しい低下をもたらすような行為のあつた者、2.他人の職務執行に害を与えるような行為に出た者、3.上司の職務上の命令に対し故意に且つ程度を超えて反抗した者、4.職場の秩序及び規律を故意に乱すような行為をした者、5.事業の正常な運行に協力しなかつた者、6.職務遂行上信頼度の低い者。ところで原告等はいずれも後記のごとき理由で前示整理方針及び内部基準に該当するものとして免職されたのであるから、本件免職処分は決して違法ではなく原告の主張は理由がない。

原告等はいずれも組合役員としてその行動は法令を無視してきよう激にわたり正常な組合活動の範囲を逸脱すること多く、職場秩序を乱し他の職員に悪影響を及ぼし通信事業の正常な運営に協力を欠いた点において前記整理方針中非協力の基準に該当するものであるが、今その行動の一例をあげれば、

(一)  集団的には、(1)昭和二十四年六月の全逓第七回秋田大会において定員法による人員整理に対してはストライキをも含むあらゆる斗争手段を辞せぬ旨の決議がなされたところ、右原告等(但し小島を除く以下同じ)は愛知地区本部役員として同年七月十四、十五の両日県下宝飯郡三谷町で開かれた愛知地区大会の席上右決議を確認し、且つ辞令の一斉返上を決議してこれを管下各支部に指令した。右は明かに国家公務員法第九十八条第五項に違反するものである。(2)原告等は愛知地区本部役員として組合事務に専従していたが、昭和二十四年五月九日人事院規則一五―三の「職員団体の業務に専ら従事する者の休暇」が制定施行され、その施行について同月十日人事院指令第九号が発せられ専従職員は同月二十日迄に右規則による専従者に切替えるよう指示があつたので、当時の逓信局長は各地区委員長に対しその旨伝えると共に同月二十一日までに所属局長に対し人事院規則による休暇願を提出してその許可を受くべきことを伝達した。しかるに愛知地区本部専従者たる原告等はいずれも期日迄にこれを提出せず再三の督促にも拘らず同月三十一日までこれを遅延し、人事院指令にもとずく官側の措置を渋滞せしめた。(3)昭和二十三年十二月二十日当時行われつつあつた電産、石炭、海員、私鉄総連等の各労働組合の越年斗争に呼応して、原告等は全逓愛知地区本部役員として地区本部指令第一号を発し「官庁停電については夜間停電の際の業務責任は官側にあることを強調すると共に官側の処置如何によつては業務を拒否せよ。官庁内の進駐軍関係以外で停電にならない箇所は特に組合の手で消燈せよ。私鉄総連のストに対して官側が勤務表の変更を行う場合はこれを阻止しすべての責任は官側にあることを申入れよ」と指令して政府の活動能率を低下させる怠業的行為を扇動した。

(二)  更に個別的には、(1)原告浅井は(イ)、全逓名古屋電気通信工事局支部の支部長として在任中、昭和二十三年十二月上旬組合機関にはからず独断で定時退庁の指令を発し、同月十六日組合小委員会の反対によりこれを中止するまで同局職員に定時退庁を強行させ、よつて当時建設中であつた名古屋市南電話局開局工事の竣工を三、四日間遅延せしめた。(ロ)、昭和二十三年政令第二百一号の施行により逓信労働協約が失効したので、その頃名古屋電気通信工事局長が全逓同局支部役員中の組合専従者に対し同年八月二十五日までに職場に復帰するよう命令を発したところ、当時全逓愛知地区執行委員長であつた原告浅井は右命令を無視し遵法斗争をもつて対抗すると放言した。(ハ)、同年三月二十五日前記支部においてストライキ実施中官用の貨物自動車二台及びジープ一台を官側の許可なく使用し、同月二十七日官側より文書をもつてなされた抗議に対し回答を拒否した。(2)原告赤川は(イ)、昭和二十三年九月二十四日原告中島及び中斗オルグと称する氏名不詳の者を伴つて名古屋電報局に来り、同局の許可なくして同局宿直室で前記中斗オルグをして職場離脱を扇動するような内容のアジ演説を行わせ、再三にわたる同局管理者の中止退去命令にも服従せず遂に同局管理者をして解散命令を発するの余儀なきに至らしめた。(ロ)、同年八月二十三日逓信省労務局長通達第六九六号により有給組合専従者が認められなくなつたが、同原告は無給専従者となることを希望しなかつたため同年十月所轄上司において同人に対し職場復帰命令を出したところ、同原告はこれを無視し十一月二十二日、二十四日、二十六日、三十日の四日間無断欠勤して組合事務に専従した。(3)原告蟹江、同中島は昭和二十四年六月八日より三日間にわたつて開かれた全逓第七回臨時大会(いわゆる秋田大会)に代議員として出席し、定員法による人員整理に対してはストライキをも含むあらゆる斗争手段を辞せぬ旨の非合法斗争決議を積極的に支持した。(4)原告蟹江は(イ)、昭和二十三年七月三十一日マ元師書簡にもとづく政令第二百一号の公布により逓信労働協約が失効したので被告名古屋郵政局長は当時全逓愛知地区本部執行委員として組合事務に専従していた同原告に対し八月二十五日限り職場に復帰するよう命じ、次で情勢にかんがみ右復帰期限を十月十八日まで延期したが、同原告は十月二十二日一旦職場に復帰しながらその後十二月十九日までの間出勤簿に押印して出勤を装いつつ上司に無断で職場を離れ地区本部において組合事務に専従していた。(ロ)、昭和二十四年六月十五日熱田郵便局食堂で開かれた全逓愛知地区青年部臨時大会の席上において前記秋田大会の非合法決議を積極的に支持強調した。(ハ)、同年七月五日熱田郵便局で開かれた職場懇談会の席上全逓熱田支部長竹内保昌等の極左分子と共に秋田大会の模様を説明し、更に「過去の実力行使はストが最大のものであつたが、今次の斗争は業務管理が重きをなす、その時は首を切られた人にも出て貰い官側を追出して組合員だけで業務運行を図るべきである」とアジ演説をなし非合法斗争を扇動した。(5)原告中島は(イ)、昭和二十三年八月二十二日中村郵便局で開かれた支部大会において政令第二百一号に対する斗争方針を協議した際「勤務時間内の組合活動が制限されればポスター一枚貼つても組合活動でひつかかる。それ故一人や二人でやると挙げられるから皆で立上つて一斉にやらなければならない」と非合法活動を扇動するような演説をした。(ロ)、同年九月二十四日原告赤川と共に中斗オルグと称する氏名不詳者を伴つて名古屋電報局に赴き「組合員に対し実情報告がしたい」と申入れたが、官側から不審の点ありとして拒絶せられるや無断で同局宿直室に侵入し前記中斗オルグに職場離脱を扇動するごときアジ演説をさせ、同局管理者から再三にわたり演説中止並びに退去命令を受けながらこれに応ぜず、遂に官側をして解散命令を発するの止むなきに至らせた。(6)原告加納は(イ)、終戦前より名古屋東局の通信課主事をしていたが怠惰にして勤労意欲なく、上司より再三注意を受けたに拘らずその態度を改めず、遂に昭和二十一年三月九日貯金業務課主事に配置替された。しかしその後も担当事務を真面目に行わぬため同僚に相手にされず自由服務のごとき勤務状態で成績劣悪であつた。(ロ)、従業員の一部の者の不平不満を真相を調査することなく取上げ管理者に対して罵言を交えて交渉し、貯金保険の募集成績の不振を注意せられると「正直者が馬鹿をみる世の中だ」と喰つてかかり、更に昭和二十三年十一月全逓愛知地区執行委員となつて後は全逓の不正摘発斗争の方針に従つて活動し、同二十四年七月予てから感情的に含むところのあつた東局天野通信課長に対し同人が切手類売捌所設置に関し不正行為を行つたとか、又は闇商売をしたとか何れも事実に反する情報を地区ニユースに掲載して官の信用を傷つけると共に従業員間に動揺を生ぜしめんとした。(7)原告小島は勤務成績不良且つ非協力の点で前記整理方針に該当するものであるが、(イ)、同原告は専従者でないに拘らず屡々自己の担当事務を怠つて組合業務に従事し、(ロ)、又同人は組合役員として平素の言動がきよう激であり正常の範囲を逸脱すること多く他の従業員に対し悪影響を及ぼしたが、その言動の一端を示せば昭和二十三年政令第二百一号施行後も同令第二条に違反するごとき争議行為を敢てし、又同二十四年八月十一日午前中折柄会議中の名古屋電気通信管理所長に面会を強要しこれを制止した労働係長を実力をもつて排除して所長室に侵入し、職員の不正事項を列記した公開状を朗読しその間会議を中断せしめて公務の執行を妨害した。なお同年八月十二日定員法による第一次人員整理の発表前辞令返上を強調し勤務時間中なるに拘らず職場大会の開催を指令して職場離脱を扇動した。

三、なお被告等の法律上の意見を附加するに、元来定員法は連合国軍総司令部の慫ようにかかるところのいわゆる経済九原則の実施のため制定されたもので占領下の日本としては誠に止むを得ぬ措置であつたし、又実質的にみても日本経済再建という公共の福祉のため必要不可欠の処置であつた。同法が被免職者に対し国家公務員法第八十九条以下の審査請求権を認めなかつたのも、経済九原則の急速な実施のため極めて短期間内に大量の人員整理を完了する必要上已むなくとつた処置で当時の情勢にてらし無理からぬ態度であつた。なお退職者に対しては予算の許す限りの退職手当金を交付したから、右免職をもつて生活権の侵害となす非難は当らない。また原告等の主張するいわゆる整理方針なるものは法的規範性がないのであるから、たとえ被告等がこの方針に反した免職処分をなしても右は不当の処分となることは兎も角違法の処分となるいわれはない。(立証省略)

三、理  由

一、被告名古屋地方貯金局長に対する関係について

本件免職処分取消訴訟中、原告三谷及び吉田の両名より被告名古屋地方貯金局長に対する請求にかかる部分につき、同被告はその当事者適格を争うからまずこの点について考察する。

原告等提出の各証拠及び本件にあらわれた全資料によるも、原告両名を免職処分にしたのは被告名古屋地方貯金局長であることはこれを認め得ないのみならず、却つて成立に争のない乙第一号証及び第二号証の一、二を総合すると、原告両名は右被告の上級行政庁たる郵政大臣(当時の郵政大臣は小沢佐重喜)により直接免職せられたことを肯認するに十分であるから、同被告を相手どり右免職処分の取消を求める原告等の請求は当事者適格なき者を被告とせる訴訟として失当たるを免れない。よつて本件請求中同被告に対する部分についてはその余の争点に関する判断を省略してこれを棄却することとする。

二、その他の被告等に対する関係について

まず被告等は、本件行政整理のごときいわゆる「過員の整理」の場合には何人を免職するかは一に行政庁の自由裁量処分に属するから右処分に対し訴訟をもつて争うことは権利保護の適格を欠き失当であると主張する。しかし国家公務員法第七十八条第四号にいわゆる「過員の整理」の場合何人を免職するかについて一般に任命権者が自由裁量権を有することは被告等主張のとおりであるが(人事院規則11―0.4参照)、任命権者の自由裁量権といえども全然行政庁の恣意に委ねられたものではなく、そこには自ら一定の限界があり右限界を超えたときは違法な行政処分として取消訴訟の対象となり得るのである。たとえば右のような場合にも、国家公務員法第二十七条にいわゆる平等取扱の原則や同法第九十八条第三項にいわゆる不利益取扱禁止の原則はいぜん存在し(人事院規則11―0.4但書はこの点を明記している)、これらの原則に違反して免職せられたときは被免職者は違法な行政処分としてその取消を裁判所に訴求し得るのである。従つて右免職処分が自由裁量処分に属するの故をもつて、直ちにこれに対し訴訟をもつて争う余地なしとする被告等の主張は誤りであつて採用し難い。

次に被告等は、もし本件免職処分が原告等主張のごとき意味で違法の行政処分とすれば右行政処分は単に取消し得るに止まらず当然無効であるから、国を相手どつて免職処分無効確認の訴訟を提起するはともかく、被告等処分行政庁を相手方として処分の取消を求めることは失当であり、本訴請求は棄却を免れぬと主張する。しかし一般に行政処分が無効である場合においても、少くともそれが外形上行政処分として存在する以上、その無効宣言を求める趣旨において処分行政庁を相手どり右処分の取消を求めることは許されると解すべきであるから、この点に関する被告等の主張は理由なく採用に値しないといわねばならぬ。

三、原告等がそれぞれその主張のように郵政省又は電気通信省の職員として勤務中、その主張の日その主張の被告等により定員法による処分として免職処分に付せられたことは当事者間に争のないところである。しかして原告等は種々の理由をあげて右免職処分の取消を求めるから、以下順次その当否について判断する。

(1)  定員法の違憲性に対する判断

原告等は、定員法は被免職者を餓死に追いやりその最低生活権をじうりんするものであるから、憲法に違反し無効であると主張する。元来憲法第二十五条にいわゆる最低生活権なるものは、国民各自に対し直接国家にたいする最低生活の保障を請求する権利を与えたものでないことは勿論であるが、さりとて同条をもつて単に国民各自の生存の自由を保障するものと解したり、又は国家の政治的理想の宣言をなすに止まるものと考えることも亦誤りである。同条は国家に対し、国家的立場から国民の生活の維持向上につき周到な配慮を加うべき責務を課したものと解釈するを相当とする。従つて、もし国家がこの責務に違反し立法又は行政処分により不当に国民の最低生活を不可能ならしめるような行為に出た場合には、右行為は憲法に違反し無効と解すべきこと、かの自由権的基本的人権の侵害の場合と同様であろう。そこで本件定員法の規定が右のごとき意味で憲法第二十五条に違反するかどうかの点を考えてみる。右定員法により免職された被整理者の多くが就職難の深刻なこんにち街頭に投げ出されて生活上多大の困苦を味つたことはこれを想像するに難くないが、しかし一方、今次の行政整理は、当時破局的に進行しつつあつた戦後のインフレーシヨンの進行を阻止し我国の経済再建をはかる措置として政府のとりつつあつた均衡財政々策の一環としてなされたものであることを看過してはならない。単なる理論の問題としては或は日本経済の再建の方策として、行政整理を必要としない他の方途もあり得たかも知れないが、右の均衡財政々策は連合国軍最高司令部の恣ようにかかるところのいわゆる経済九原則にもとずくものであり、昭和二十四年度予算はかかる行政整理を予想して既に均衡予算として成立しており、これを変更することは事実上甚だ困難だつたし、又日本が政治的には連合国軍最高司令官の権力下に服しており経済的にも対日援助その他の措置を通じて連合国の一国に全く依存しておつたことを考え合せると、当時の政府が経済再建につき均衡財政々策をとり行政整理の方途を選んだことも誠に已むを得ないところといわねばならない。原告等は、右行政整理にあたり政府は失業対策ないし生活保護の途を十分に講じなかつたことを非難するけれども、この方面に関しては職業安定法、緊急失業対策法、生活保護法等の一連の社会立法も存したし、又被免職者に対しては若干の退職金も支給されたことは原告等の自認するとおりである。もとよりこれらの措置により被免職者の生活が完全によう護されたとは称し得ないが、当時の内外の情勢として政府に対しこれ以上の対策を期待することは不可能であり、右政府の措置をもつて憲法に違反するとなすことは明かに不当である。

次に原告等は、今回の行政整理に際し定員法附則第五項により公務員の不利益処分審査請求権を奪つたこと及び同附則第九項において公共企業体職員の団体交渉権を排除したことを攻撃する。しかしながら、仮に右附則第九項が日本国憲法に違反したとしてもこれにより定員法の全体が無効となる訳のものではなく、たかだか公共企業体職員の人員整理にかんする部分が無効となるに過ぎぬと解すべきであるから、政府職員に対する免職処分の効力が問題となつている本件においては、右附則第九項の違憲論は直接関係がないといわねばならない。そこで附則第五項の違憲性の問題についてゞあるが、まず原告等の挙示する憲法上の権利の性質について考えてみるに、憲法第二十五条の最低生活権に関しては先に述べたとおりであるが、同法第二十七条の勤労権、同法第二十八条の団体交渉権も前記第二十五条の最低生活権と同じく生存権的基本的人権(社会権的基本的人権)の一種として、憲法第十三条の幸福追求権と共に公共の福祉による制限を受けねばならぬと解すべきである。ところで今回の行政整理に際し、はたして国家公務員法第八十九条以下の審査請求権を奪う必要があつたかどうかは稍疑問であるが、前述したような事情の下において本件行政整理は不可避的であつたのみならず国家予算上すでに既定の事実として取扱われていた関係上これを急速に実施する必要のあつたこと、数万にのぼる被整理者に対し不利益処分の審査請求権を認めるときは当時の人事院の機構としてとうていこれを処理し得ず整理の進行が妨げられるおそれのあつたこと、及び違法の域に達する程度の不当解雇に対してはもとより裁判所に出訴し得る途の開かれていること等の諸事情を考え合せると、定員法附則第五項が国家公務員に対し審査請求権を認めなかつたこともあながち不合理とはいい得ず、これをもつて直ちに定員法自体を憲法違反の無効の法律となすは失当であつて原告等の主張は採用し得ない。

(2)  不当免職の主張に対する判断

原告等は、同人等が郵政兼電気通信大臣の声明によつて示された整理基準に該当しないから、本件免職処分は違法であつて無効であると主張する。ところで、昭和二十四年八月十一日郵政兼電気通信大臣が行政整理の方針にかんして声明を発したこと及び当時同省内において右声明の線に沿つた整理基準の立てられたことは成立に争のない乙第三号証及び証人太田要吉、土井梅吉の各証言によつて明かであるが、ここで右整理基準なるものの性質を考えてみるに前示各証拠を綜合すると、右は単に今回の整理実施の便宜のため設けられた一応の処理標準に過ぎぬか又はせいぜい省内における職務規定又は訓示規定に止まるのであつて、原告主張のごとき意味の法的規範性はこれを有しないものと解せられる。従つて、たとえ右整理基準に違反して免職処分がなされても右処分をもつて直ちに法律上無効となすことはできず、本件において仮に原告等に対する免職処分が前記整理基準に違反するとしても、右はたかだか他の法規違反の事実を推測せしむる徴ひようとなるに止まり、右処分自体の効力まで否定する根拠とはならないのである。

つぎに原告等は、本件免職処分は国家公務員法にいわゆる平等取扱の原則又は不利益取扱禁止の原則に違反し無効であると主張する故、この点について考察しよう。原告等がそれぞれその主張のような組合役員(小島を除く他の原告等は組合専従者)であつたことは当事者間に争のないところであり、又同人等が平素活溌に組合運動に従事していたことは原告小島泰夫、浅井美雄の各本人尋問の結果によつて明かである。しかし、原告等は前述のように定員法による人員整理の施行として免職せられたものであり、右のような過員の整理の際何人を免職するかは一応任命権者の自由裁量処分に任されており、只右処分が一定の限界を超えた場合にのみ違法な行政処分として取消訴訟の対象となることは先に説明したとおりである。ところで、右のような免職処分の違法事由はこれを主張する者の側において立証の責任あることはいうまでもないが、本件において原告等がその組合における正当な組合活動をしたことの故をもつて免職せられたとか、又は公務員として不平等な取扱を被告等より受けたとかの点については、原告等提出の全証拠によつてもこれを確証するに十分でない。すなわち原告小島泰夫の供述により真正に成立したと認められる甲第一、二号証及び原告浅井美雄、小島泰夫の各本人尋問の結果によつても、原告等のなした組合活動が本件免職処分の決定的ないし主要な動機となつたことはこれを肯認できないし、他に原告等挙示のどの証拠によつても被告等に不利益取扱の事実又は不平等取扱の事実のあつたことを確認し得ない。従つて、右免職処分をもつて不当免職なりとなす原告等の主張はとうてい理由なくその請求は認容できない。

以上のような訳であるから、原告等の本訴請求はすべてこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条、第九十三条を適用し主文のように判決する次第である。

(裁判官 山口正夫)

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